1日に1本ずつ完成するFXの日足。
「日足のチャートって動きがわかりやすい気がする」
「日足だけのチェックで勝てるトレード手法ってないか」
こんなふうに考えたことはないでしょうか?
僕自身も「1日1回だけの日足のチェックでトレードできる方法があれば気持ちが安定しそうだな」と考えたことがあり、実際に日足だけの超シンプルな手法を使ってのトレードをしていました。
そんな僕の経験から、この記事では以下の内容をご紹介していきます。
- 日足しか見ない僕のオリジナル手法
- 日足だけを使ったトレードのメリット
- 日足だけを使った手法の作り方
- 日足を使ったシンプル手法5つ

FX歴10年の僕が、これまでの経験を踏まえて丁寧に書いていきますよ!
日足を使ったトレードで、短期足にはない落ち着いたトレードを構築してみましょう!
▼僕のオリジナル超シンプル手法 ▼
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【オリジナル】日足しか見ないシンプルFX手法
シンプルな手法は、相場のクセや基本的なテクニカル分析を使うだけでも作ることができます。
僕が実際に使っていた日足だけを使う手法は、以下のようなものでした。
- 移動平均線を使う
- 平均足を使う
- エントリータイミングは日足が確定するタイミング
- エントリー後はOCO注文で利確と損切りを注文
- 注文後は利確か損切りになるまで放置
- スマホだけでもトレードできる
- 迷わないで済むシンプルなルール
日足を使ったスイングトレードに近いスタイルの手法となります。
では、詳しいルールを解説していきますね。
まずはエントリールールからいきましょう。
エントリーのタイミングとルール
エントリータイミングは、前の日の日足が確定したタイミングです。
この日足の確定時間は、FX会社によって異なる部分もありますが、一般的には日本時間の午前7時(夏時間では午前6時)となっています。
日足を使うので、エントリーチャンスを探すのは1日に1回でOKということになります。
用意するチャートの設定
チャートの設定は、以下のようにします。
- 平均足を表示する
- 単純移動平均線の期間20(以下、20SMA)を表示する
以上、この2つだけです。とてもシンプルですよね!
エントリールール
続いて、エントリールールを詳しく解説しますね。
まずは「買い(ロング)」の場合です。
日足の平均足が20SMAに接して、陰線から陽線に変わった次の始値でエントリーします。
次に売り(ショート)の場合。シンプルに買いの逆なのですが、言語化しておきますね。
日足の平均足が20SMAに接して、陽線から陰線に変わった次の始値でエントリーします。
決済ルール
エントリーしたら、以下のルールに沿ってすぐに決済の注文を入れます。
【損切り】
損切り(ストップロス)は平均足の色が変わった前の足の、安値(または高値)の少し下に設定します。
【利確】
利益確定は、エントリーしたレート(建値)から損切りまでの幅の2倍の位置のレートに設定します。
つまり、この手法のリスクリワード比は1:2となります。
トレードで勝つために大事といわれる「損小利大」のスタイルがルールに組み込まれているのがポイントです。
エントリーから決済までの流れを図解すると、以下のようになります。
エントリーを見送るパターン
20SMAに接して平均足の色が変わったとしても、20SMAを深く割ってしまった場合や、平均足の変わったタイミングでレートが大きく動いてしまった場合は、エントリーを見送ります。
理由は、損切りまでの幅が広くなってしまうためです。
例えば、以下のようなチャートのときです。
損切り幅が広くなると、利確はその2倍の位置になるので、単純に不利になります。
また、損切りと利確の幅が広くなるので、決済までの時間が長くかかり、ポジションを持っている時間も増えます。そのため、精神的なストレスもかかりやすいのも欠点ですね。
対象通貨ペア
僕がこの手法で使用していたのは、下記の8つの通過ペアでした。
- ドル/円(USD/JPY)
- ユーロ/円(EUR/JPY)
- ポンド/円(GBP/JPY
- 豪ドル/円(AUD/JPY)
- ユーロ/ドル(EUR/USD)
- ポンド/ドル(GBP/USD)
- 豪ドル/ドル(AUD/USD)
- ドル/フラン( USD/CHF)
対象の通過ペアを増やすことで、日足という長期足でも、トレードチャンスを増やすことができます。
この他にも、メジャーな通過同士のペアならば採用する通過ペアを増やしてみてもいいと思います。
以上のルールの手法を、日足だけでなく4時間足でも行ってトレード機会を拡大していました。
そして、この手法のおかげで、僕は初めて半年以上という長期間での利益を残すことができました。
ですが・・・
実は、現在は僕自身この手法を使っていません。
その理由は、この手法のあとで、さらに簡単なルールで利益率も高い手法を編み出したからです。
さらなる裏話として、この日足手法でちょっと利益が増えたことでいい気になって、感覚トレードをしまくり、結局その利益を吹き飛ばしてしまうというバカなことをしてしまった…ということがありました。
それで一旦すべてが嫌になったのですが、再起するために仮説と検証を重ねて編み出したのが、こちらの手法です。
もはやテクニカル分析もしないという完全無裁量の手法です。

FXで「難しいことをしたくない」という方は、チェックしてみてください
日足を使ったトレードの3つのメリット
日足は、1日ごとに確定する時間足です。
非常に区切りがよく、世界中の多くのトレーダーが参考にしています。
そんな日足を使うトレードには、以下の3つのメリットがあります。
- テクニカル分析が効きやすい
- 1日ごとに確定するため、トレードが慌ただしくない
- スプレッドの影響が小さくなる
1つずつ説明していきますね!
①テクニカル分析が効きやすい
「1日に1本ずつできあがる」という区切りのよさ。
そして、1日という時間をかけてローソク足が確定することも、そこに市場の多くの情報を含んでいるため、信頼性が高い時間足といえます。
そのため、世界中のトレーダーがチェックしている時間足です。
さらに、デイトレード、スイングトレードといった、トレードスタイルが異なる人たちでも、日足は注目されることが多いのです。
- デイトレーダー:15分足や1時間足などの時間足でエントリーするため、長期足の環境認識として日足をチェックする
- スイングトレーダー:週足や月足で環境認識をし、エントリータイミングを計るために日足を使う
これらが、世界中のトレーダーが日足に注目する理由です。
世界中のトレーダー注目していることで、テクニカル分析が機能しやすいというメリットが生まれます。
その結果、各種ラインや移動平均線、ボリンジャーバンドなどのトレンド系、オシレーター系のインジケーターも効きやすいということなんです。
FXで利益を出すには、自分がわかりやすいことだけを繰り返すのが大事。
「自分にとって使いやすいのが日足チャートだ」という人が多いのも納得です。
▼FXで勝てる人の思考は総じてシンプル。
②1日ごとに確定するため、トレードが慌ただしくない
日足が確定するのは1日に1回だけ。
このペースならば、1時間足や15分足、5分足などと比べると、かなりゆったりと構えることができますよね。
つまり、落ち着いて分析やエントリー注文などができるということ。
また、会社員をしながらの兼業トレーダーや、子育て世代の方、主婦(主夫)の方でも、1日ごとに確定する足なら監視しやすいというメリットもあります。
毎日の習慣となってしまえば、見逃してしまってチャンスを逃すということも起こりにくくなります。
また、短いで足で注文を出そうとすると、その間に値がカクンと動くと、想定より不利なトレードになってしまうこともありますよね。
しかし、日足ならば多少の値動きも誤差の範囲に収まってしまうため多く、その点でも安心感があります。
③スプレッドの影響が小さくなる
スプレッドとは、通過を取引する際に発生する、買値と売値の差額のことです。
いわゆるこれがFXトレードにおいてのコストになります。
このスプレッドは、通過ペアや時間帯、FX会社によっても変わるのですが、トレードで狙う値幅の大きさによって、その影響度が変わってきます。
例えば、1pipsのスプレッドが付くトレードをしたとしましょう。
このとき、5pipsを狙うスキャルピングの場合は、スプレッドの1pipsは20%を占めます。
一方で、100pipsを狙うスイングトレードをの場合は、スプレッドの1pipsは1%です。
このように、大きな値幅を狙うトレードの方が、スプレッドの影響は相対的に小さくなります。
日足のトレードは、長期足の分、スキャルピングやデイトレードと比べて狙う値幅は大きくなります。
つまり、トレードのコストであるスプレッドの影響が小さくなり、その分トレードが有利に働くというメリットが生まれるのです。
日足だけを使うシンプル手法の作り方
ゆったりした動きで、テクニカルも効きやすいといったメリットがある日足。
この日足だけを使い、あなた独自の手法を作ることもできます。
その作り方ですが、結論から言うとこれはもう検証に尽きます。
そしてこの検証こそが、FXで長期的に勝てるようになるためにめっちゃ大事です。
僕もひたすら検証して今のメイン手法を作りました。
具体的な手順を説明すると、以下のステップになります。
- 日足だけでトレードできる仮説ルールを作る
- 100回、200回といった回数を検証ツールでトレードする
- 結果を見て勝ちへのヒントを得る
こちらも1つずつ解説していきます。
①日足だけでトレードできる仮説ルールを作る
まずはなんといってもトレードのルールが必要です。
ということで、さっそく日足のチャートを開きましょう。
自分の好みで全然いいので、各種インジケーターや、水平線などのラインを加えてみます。
それらを使って優位性が得られそうなアイデアで、仮説のルールを作ります。
例えば、「短期と長期の移動平均線のゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り」というくらい単純で判断に迷いがないルールがオススメです。

このあとに紹介する「日足を活用したシンプルなトレード手法5つ」の内容を参考にしてもらうのもいいと思います!
▼超シンプルな手法の作り方について解説しています。
②100回、200回といった回数を検証ツールでトレードする
あとはひたすら検証ツールでその仮説のルールを過去チャートで繰り返し実践していきましょう。
勝ちと負けの割合で勝率を見て、損切りと利確の幅の差でリスクリワードを見ていきます。
100回、200回といったトレードをしてみたら、トータルでの成績を見て、利益が出ているか、損失が出ているかを確認します。
ちょっと多いように感じるかもしれませんが、100回、200回くらいのトレードをこなしていないと、結果に偏りやバラつきが出てしまう可能性が高いです。確率が集束しづらいんですね。
ここはお腹に力を入れて、努力が必要なところ。
また、このとき使うのは、ただの過去チャートではなく、過去チャートをリアルチャートのように値動きを再生できるものにしましょう。
また、早送りや巻き戻しの機能もあると便利です(というか、ないとすごく非効率です)。
僕のオススメは「Forex Tester」です。
おそらく、他の多くのトレーダーさんもこのツールをオススメすると思います。
僕もいろんな凄腕トレーダーさんのブログなどを見てきましたが、検証ツールはみんな「Forex Tester」を推していました。
これがあれば間違いないですし、ずっと使える相棒になってくれますよ。
ただし、「Forex Tester」は有料ツールです。もし無料のツールがいいということであれば、「ThinkTrader」もオススメです。
③結果を見て勝ちへのヒントを得る
100回、200回以上の検証トレードを行った結果、利益が出ていれば、それは優位性があるルールの可能性があります。
逆に損失が出ていれば、逆のことをすれば優位性があるルールになる可能性があります。
ここ!見落としがちなところなので意識しておきましょう。
そう、結果が損失でも全然OK!むしろウェルカムなんです!
いずれにしても、何らかの勝つためのヒントが得られる。これが検証の素晴らしさです。
優位性が確認できたらなら、さらにその検証を500回、1,000回と重ねてください。
地道な作業ですが、これをやるとさらに確率が収束して、優位性の信頼性が高まります。
また、これくらいの回数をこなすと、ある程度の長期間の相場で検証することになるので、長期的にもその優位性が機能しそうかを測ることもできます。
かけられる時間やルールにも寄りますが、会社員であり育児世代ど真ん中の僕でも、1~2週間もあれば1,000~2,000回の検証ができていました。
▼検証について詳しく知りたい方はこの記事を。
【参考】日足を活用したシンプルなトレード手法5つ
この記事の冒頭に僕のオリジナルの日足トレードの方法をご紹介しました。
そして現在では、さらに成績もよくてやることも簡単な「完全無裁量」の手法をメインにトレードをしています。
ただ、これはあまりにも独特なFXの稼ぎ方なので、最後にオーソドックスな日足を使った手法をご紹介したいと思います。
信頼性の高い日足に、メジャーなインジケーターを組み合わせたシンプルな考え方の手法です。
参考すればあなたに合う手法を作るきっかけになるかもしれません。
組み合わせるインジケーターは以下の5つです。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- 水平線
- RSI
- MACD
①日足×移動平均線のシンプル手法
インジケーターの代表格といえば、移動平均線ですよね。
その移動平均線のなかでも多くのトレーダーに使われる20本期間の単純移動平均線(SMA)を表示させます。
以下、買い(ロング)エントリーのときの解説をします。売り(ショート)エントリーはこの逆になります。

また、移動平均線を2本表示させてゴールデンクロスやデッドクロスを利用した手法や、3本以上表示してパーフェクトオーダーがそろった場面でその方向にエントリーを検討するという方法もオススメです。
②日足×ボリンジャーバンドのシンプル手法
ボリンジャーバンドもわかりやすくて人気のインジケーターですよね。
パッと見で現在の相場が把握しやすくて、僕も長らく使っていました。
ボリンジャーバンドを使った手法で狙いやすいのは、スクイーズからのエクスパンションの場面です。
上の図では、エントリー前は中央の移動平均線に絡むように、±1σ(シグマ)のバンドの間でレートが遷移しています(スクイーズ)。
ただ、レートはいずれ大きく動き出します。上の図のエントリーポイントでは、+1σを陽線のローソク足が上抜けて、上昇の兆しが出ています。ここでエントリーします。
以下、買い(ロング)エントリーのときの解説をします。売り(ショート)エントリーはこの逆になります。

上の図だと、決済したあとにさらに上へのエクスパンションが起きていて、さらにレートが上がっているのもわかりますね…!
③日足×水平線のシンプル手法
続いて、インジケーターではないのですが、やっぱり外せない「水平線」を利用したシンプル手法にも触れておきます。
直近の高値や安値に水平線を引き、そこで反発する動きを見せるローソク足が出たらエントリーしていくという、非常にシンプルな手法です。
これも日足という世界的に注目している人が多い時間足だからこそ機能しやすい手法になります。
以下、買い(ロング)エントリーのときの解説をします。売り(ショート)エントリーはこの逆になります。

上の図のように下ヒゲの長いピンバーになっていると反発がわかりやすいですよね!
④日足×RSIのシンプル手法
お次はオシレーター系のインジケーター「RSI(Relative Strength Index)」です。
日本語で言うと「相対力指数」と訳され、買われ過ぎor売られ過ぎを把握するためのオシレーターの指標のなかでも代表格といえます。
RSIは、14日間の期間設定で、上は70%、下は30%に設定するのが一般的です。
70%以上にいる場合は「買われ過ぎ」、30%以下に入る場合が「売られ過ぎ」という判断になります。
以下、買い(ロング)エントリーのときの解説をします。売り(ショート)エントリーはこの逆になります。

とてもわかりやすいRSIですが、強いトレンドが出ているときは70%以上や30%以下を長く推移することになるので、損切りはしっかり設定して警戒しておきましょう。
⑤日足×MACD(マックディー)のシンプル手法
最後に、オシレーター系のMACDを使ったシンプルなトレード手法をご紹介。
MACDは、短期と長期の2本の移動平均線の差を表した「MACDライン」と、その値を平均した「シグナルライン」で構成されます。
また、ヒストグラムを見ると、現在は買いが優勢か売りが優勢か一目でわかりやすいという特徴があります。
以下、売り(ショート)エントリーのときの解説をします。買い(ロング)エントリーはこの逆になります。

オシレーター系のインジケーターですが、トレンドの動きも示唆してくれるのがMACDのメリットです!
以上が日足と使いやすいインジケーターを利用したシンプル手法でした。
ただ、当然ではありますが、テクニカル分析をどれだけ慎重に行っても、相場では「ダマシ」は付き物です。
テクニカル分析を過信せず、確率で負けが出ることも想定して、損切りはしっかり設定して守りましょうね!
日足を使ったシンプルなトレードで「勝てる」を実感しよう!
テクニカルが効きやすく、相場の瞬間的なノイズも少ない日足。
1時間足以下の時間足でのトレードしか経験がないと、日足でのトレードはとてもじれったく感じられるかもしれません。
ですが、トレードは焦ってやってもうまくいかないんですよね・・・
焦る気持ちはポジポジ病を誘発したり、チキン利確の原因になったりと、マイナスに働くことが多いと僕も体験から感じています。
以前、「長い足でできることは、短い足でもできる」というふうに言っていたトレーダーさんがいました。どなたか忘れてしまったのですが、納得感があって覚えています。
日足は多少の値動きのノイズならばチャートに影響が出ないため、きれいなチャートを描く性質もあります。
これからFXで長期的な利益を目指すには、日足を観察したシンプルなルールでトレードするのはとても効果的だと思います。

日足でじっくり丁寧なトレードができるようになると、実力もつきやすくなるはずです!
▼べれたの簡単さを極めたオリジナル手法▼